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宇宙工学を学べる日本の大学は少ない
残念ながら、
日本で宇宙工学を学べる大学は少ないです。
こちらの記事でも解説しましたが
国立と私立の大学を合わせても30校程しかありません。
90校程あるアメリカと比べると、
やはり、数としては少ないと言えるでしょう。
ひこ宇宙工学を学べるアメリカの大学が気になる方は
こちらの記事を参考にしてください。
しかし、そんな数少ない日本の大学の中でも
世界の宇宙業界をリードする研究をしている大学は存在します。
今回はそんな宇宙工学で有名な国立大学を
5校に絞って紹介します。
どんな研究をしているかも詳しく解説していくので、
自分に合った大学を見つけてみてください!
なお、各大学の画像はwikipediaを参考にしています。
宇宙工学を学べる国立大学5校
①東京大学
By Kakidai CC 表示-継承 4.0
- 世界トップレベルの大学で学びたい!
- 幅広い分野から研究を選びたい!
- 超小型衛星の研究がしたい!
有名大学と聞いてまず思いつくのが東京大学でしょう。
東京大学は宇宙工学分野においても
世界トップレベルの大学であり、
宇宙業界を目指すのであれば、
東京大学は最適な大学でしょう。
研究分野としては、
材料力学、構造力学、流体力学、推進、制御といった宇宙工学の基礎分野に始まり、
宇宙システムの人工知能応用など、
革新的な分野もあります。
また、中でも「中須賀・船瀬研究室」という研究室が特殊で、
ここでは超小型衛星の実利用に向けた
技術開発を研究しています。
東京大学工学系研究科航空宇宙工学専攻 中須賀・船瀬研究室HP より引用
超小型衛星は今現在、
宇宙業界で需要がかなり高い分野であり、
研究する価値は大いにあるでしょう。
衛星開発で世界と戦いたい!
という方は特に東京大学がオススメです。
公式HPはこちら↓
②東北大学
By XIIIfromTOKYO, CC 表示-継承 3.0
- 深宇宙探査ロボットを作ってみたい!
- 最先端の宇宙構造を設計したい!
- シミュレーション技術を磨きたい!
東北大学もまた、世界の宇宙業界をリードする大学の一つです。
東北大学は「シミュレーションサイエンス」と「スペーステクノロジー」という
キーワードに重きを置いた教育と研究を行っており、
「シミュレーションサイエンス」では材料や流体の解析における
シミュレーション技術を研究開発しており、
「スペーステクノロジー」では自律型の探査ロボット、
ISSに代表される大規模な宇宙構造体、
新世代推進エンジンに関する研究などが行われています。
中でも特に有名なのが、宇宙工学ロボット研究室である「吉田研究室」です。
この研究室の「吉田和哉教授」は、
民間月面探査チーム「HAKUTO」で
2015年にGoogle Lunar XPRIZE モビリティサブシステム中間賞を受賞しています。
月面探査ローバーの動画 東北大学HPより引用
現在も「ispace」と言う、月面ランダーと月面探査ロボットを開発している
日本の宇宙ベンチャーで取締役と技術アドバイザーとして活躍していらっしゃいます。
宇宙探査ロボットを開発したい!と考えている学生なのであれば
吉田教授の元で研究ができる可能性のある、
東北大学を目指すのも良いのではないでしょうか。
公式HPはこちら↓
③東京工業大学
By 03 GFDL-no-disclaimers
- 宇宙ゴミ問題の解決に貢献したい!
- 宇宙機の革新的な技術を研究したい!
- 超小型衛星の研究をしたい!
東京工業大学では、機械宇宙学科という学科が存在したそうですが、
2016年4月より、学部と大学院が一体となって教育を行う「学院」が創設され、
現在では「工学院機械系」という組織の中で宇宙工学の研究が行われているそうです。
なので、宇宙工学を勉強したい受験生の方は
「工学院機械系」を受験するようにしましょう。
東工大での宇宙系の研究室は2020年現在7つ程と比較的に少ないですが、
超小型衛星や軌道上サービスなど
かなり革新的な研究をしている印象があります。
中でも、「中西研究室」や「松永研究室」では
「宇宙デブリ捕獲」を研究しています。
宇宙デブリ(宇宙ゴミ)は近年、宇宙産業での大きな問題となっており、
これを除去する技術が、世界で求められています。
デブリ除去ビジネスでは
現在、日本の宇宙ベンチャー企業「アストロスケール」が
他国を抑えてトップを走っており、
日本の御家芸になりそうな雰囲気があります。
こうした未開拓の領域に挑戦し、
宇宙ゴミ問題の解決に貢献したい!
という学生に東京工業大学はふさわしい大学と言えます。
公式HPはこちら↓
研究室と研究テーマ | 教員・研究室 | 東京工業大学 工学院 機械系
④名古屋大学
© DrKssn / Wikimedia Commons, CC 表示-継承 3.0
- 新しい推進系の研究がしたい!
- 宇宙機の制御を研究したい!
- ロケットの材料・加工の研究がしたい!
名古屋大学の航空宇宙工学専攻では
流体力学、衝撃波・宇宙推進、推進エネルギーシステム工学、構造力学、生産工学、航空宇宙機運動システム工学、制御システム工学など
さまざまな分野から、航空機、ロケット、人工衛星などの新技術開発に取り組んでいます。
中でも、エンジンや構造などのロケット本体部の研究と
制御系が強い印象を受けます。
推進系では、次世代航空宇宙用エンジンと期待される
デトネーション(極超音速燃焼)エンジンに関する研究を行っていたり
後述する九州大学との共同研究を進めているレーザーを使ったデブリ除去の研究も進んでいます。
ロケットについて極めたい!という学生には
適切な大学だと言えます。
公式HPはこちら↓
⑤九州大学
By 新幹線, CC 表示-継承 4.0
- ロケットエンジンなどの推進系の研究がしたい!
- 新しい宇宙機制御の研究がしたい!
- 宇宙ゴミ問題の解決に貢献したい!
九州大学では
航空宇宙熱・流体力学、航空宇宙機構造強度、航行ダイナミクス、宇宙システム工学
という4つの大講座から研究を展開しています。
キャンパス内に流体解析用の大型風洞施設があったりなど
実際に宇宙機を宇宙へ「飛ばす」事に
重きを置いている印象です。
宇宙機を飛ばす以外でも「誘導・制御工学研究室」の研究が革新的で
その中で研究されている
惑星探査ローバーシステムは
「歩行型」や「跳躍型」など、
他に類を見ない移動システムを採用しています。(著者も見ていてワクワクしました笑)
また、東工大同様、宇宙ゴミ除去の研究も行われており
「宇宙機ダイナミクス研究室」では、
名古屋大学、株式会社スカパーJSATと提携して
レーザーでスペースデブリを除去する共同研究が進んでいるそうです。
こうした宇宙での新しい分野に挑戦したい学生には
九州大学はぴったりなのかもしれません。
公式HPはこちら↓
まとめ
今回は宇宙工学を学べる日本の国立大学5校を紹介しました!
もちろん、この5校以外にも
宇宙工学の研究をしている大学は日本にあるので、
そちらもチェックして、
自分に一番合った大学を探してください!
また、これから宇宙について自分で勉強したい!という方は
こちらの記事で紹介している本を参考に、勉強してみてください。
また、大学院でこうした国立大学に入るには
TOEFLスコアによる語学要件が必須になっています!
別記事でスコアアップ法などを紹介していますので
こちらも合わせてご覧ください!
また、日本の大学でなく、海外でも宇宙工学を学んでみたいと言う人には
交換留学がオススメです!
↓交換留学ってなに?という方向け
↓どうやって申請するの?という方向け
それではまた別の記事で!